TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

宝塚

fff千秋楽のアドリブから考えたこと

fff千秋楽のアドリブから考えたこと 男役・望海さんという贔屓の退団後の手負いのけもののようなファンの考えを文章にしました。歓喜に至りたいと思いながら雪原でくだを巻いているような内容ですが、どこまでもともに行こう(贔屓が座っていない空の椅子と…

雪組公演 レビュー・アラベスク『シルクロード~盗賊と宝石~』の国や文化の表現について

雪組公演 レビュー・アラベスク『シルクロード~盗賊と宝石~』の国や文化の表現について これといった結論が出せていない内容なので、シルクロードを観劇した人に一緒に考えてほしいと思い、記録に残しました。具体的な国や文化を引き合いに出して、このシ…

雪組公演 ミュージカル・シンフォニア 『f f f -フォルティッシッシモ-』 ~歓喜に歌え!~ 雑感①

雪組公演 ミュージカル・シンフォニア 『f f f -フォルティッシッシモ-』 ~歓喜に歌え!~ 雑感① ーーーーネタバレがない感想ここからーーーー <本作品をおすすめしたい人> ・面白いお芝居が見たい ・エモいオープニングが見たい ・宝塚の座付き作家は…

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』⑥

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』⑥ きいちゃんとのCもかけがえがないのですが、ABもそれぞれに素敵で、懐かしい楽曲の数々が舞台上を駆け巡るさまは、一足早いサヨナラショーを見ているようで胸に込み上げるものが多かったです。 もはや見たもの…

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』⑤

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』⑤ 雪組パロディコーナー、楽しみましたか? 私は正直面白かったところもなくはないのだけれど、諸手を挙げては楽しめない場面でした。アヤナギ先生の映像もアヤナギ先生も、アヤナギ先生を演じきるサラサラストレ…

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』①

望海風斗 MEGA LIVE TOUR 『NOW! ZOOM ME!!』① プレサヨナラなら望海さんが男役として役を演じている姿を一作でも多く観たいと不安を抱いていたころの自分に伝えたい、未来の私、めちゃくちゃコンサート楽しんでたよ。そういう感想です。 一幕の洋楽、邦楽を…

2112時間続く夜にポルンカの兵士は地球の夢を見るか

宙組『FLYING SAPA -フライング サパ-』の主に難民ブコビッチについての感想 ※8月11日ライビュを鑑賞したきりなので、認識に誤りがあったらやさしくご指摘ください ※観ている人が読む前提でネタバレをわっさわっさする 観た9割ぐらいの人が思いつくベタな…

宝塚の「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」≒「ONCE UPON A TIME IN TAKARAZUKA」?

宝塚を見過ぎて「アメリカ」すら宝塚という大きな貝が吐き出す蜃気楼に見えてきている人の感想。 "昔、ふたりの貧しい少年がいた。ひとりは日の当たる道にたどり着いたが、もうひとりはつけなかった。けれどふたりとも、このアメリカで懸命に生きていたこと…

宝塚 ミュージカル『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』一幕ラストについて

ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)一幕ラストの話をします。 一幕ラストは何度見てもつらい。 つらいの内訳のひとつは、ヌードルスの慟哭があまりにも直接的に伝わってくること。どういう事実への嘆きか、具体的な彼の…

宝塚雪組 『壬生義士伝』

壬生義士伝、ここが好きじゃなかった、という楽しくない話をします。 観劇後しばらく経つと、いやそんなに悪くないのでは…?と思い、再度観劇すると(そんなことはなかった…!)と新鮮におののく、というのを繰り返しているこの頃です。 メインテーマの美し…

宝塚雪組 ブロードウェイ・ミュージカル 『20世紀号に乗って』

20世紀号の好きなところを答え合わせする会場のうちのひとつはこちら! シャンパンが流れる小川よりもロールスロイスよりも豪華で、何もかも最高にグレイトなミュージカルが終わってしまいました。 なんて素敵でなんて素晴らしい瞬間に立ち会えているのかし…

『ファントム』おかわり

新幹線で身体だけ運ばれてきたので魂は宝塚で輝いています。思い込みの激しさで書いたので、次回見たら考えが変わっているかもしれない感想。 ・愛情さんと息子の話さきちゃんのジェラルド・キャリエール(またの名を愛情さん)は肉体も精神もマッチョさがな…

雪組『ファントム』初日を観て

思い入れ分の書き連ねの多い文、時々見たものの感想。 演者に入れ込んでしまったファンにとって「宝塚」の物語構造はやっかいだ。 ファントムならば、クリスティーヌからエリックに歌い継ぐHomeを聞いたときに大きく動く心は、舞台上で起こっていることだけ…

ショー・パッショナブル 『Gato Bonito!!』 ~ガート・ボニート、美しい猫のような男~

ねこの夏が終わってしまった悲しみを抱えて生きる。うつくしいねこの出てくる夢を見て、幻にさらわれました。 のぞみふーとに精力を使い果たしているのだ我々は!!! SV!がサービス精神のかたまりみたいな全年齢対象のショーとしたら、この瞬間を2,000人超…

ミュージカル・プレイ 『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-

結局めちゃめちゃ通ってしまってまじかよ…しかし悔いはない、と思っている人間の感想。 オレンジがかったセピア色の照明が濃紺にゆっくりと移り変わって、舞台上に静かに夜がやってくる。舞台全体を包むくすんだ色味。行き交う男や女の濃い舞台化粧が、彫り…

グッディは天国/地獄の炎のなかでピースフルプラネットの夢をみるか

ショー・テント・タカラヅカ『BADDYー悪党(ヤツ)は月からやって来るー』のグッディに偏った記録 (マージナルとバルバラ異界を読んで、フェミとSF、ディストピアものの親和性って高いんだなといまさらながらに思い知ったこの頃だけれど、舞台化する上でのS…

『誠の群像』にみる「誠」とミソジニー

ある実在した時代や人物を登場させるフィクションをいま新たに生み出す際、その時代の価値観が現在のそれと著しく乖離していることがある。しかし乖離している、という事実だけでそのフィクションを根本から否定すること、描かれている内容を見たままに受け…

ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』

ポーの一族を観てきました。 原作ファン観点から、この演出家はなぜこの作品を自分の手で舞台化できると思ったの…?と目の前が真っ暗になるような光景が次々と目の前で展開されて憤死しそうになったけれど、私は幸いなことにヅカヲタでもあったので、フィナ…

レヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER! -希望の海へ-』おかわり

宝塚はまりたての友人の感想を読んで、恐らくわたしにとってのMr.Swing!のらんじゅさんくらい、SuperVoyagerの望海さんが盤石な存在に見えているという事実に、時の流れを感じずにはいられないこの頃です。前回の感想でとばしていた場面をいくつか記録、と思…

雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』おかわり

最終的に、いますべてのものに感謝のポーズ、という気持ちになった作品の感想。 ムラ初日に観劇した時はうーんこの作品どうかなはまらないかもなと思っていたのに、ムラ楽を観たときは(3回目にして)このあと東京公演があるなんて信じられないくらいしみじ…

レヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER!』

ショーの感想は、歌や踊りを表現する語彙がお芝居へのそれ以上にないので、「かわいい」「かっこいい」「おもしろい」「たのしい」以外の言葉が出てこなくて絶望することが多い。しかし記憶を縫い止めたい。そういう言い訳からはじまる記録です。 「SUPER VO…

宝塚雪組『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』(2018.1.12追記)

史実はともかくポスターを見て持ったイメージはリアルに胸板が厚そうな世界のスーパーダーリン。のぞみさんちょっと1/2くらいタオルじゃない大丈夫?!と肩を揺さぶっても一見、びくともしなさそうな包容力。そんな力強さから勝手に組織を能動的にぐいぐいと…

宝塚雪組 ミュージカル・ロマン『琥珀色の雨にぬれて』

宝塚雪組 ミュージカルロマン『琥珀色の雨にぬれて』なにをおいても駆けつけなければならない望海さんと真彩ちゃんのお披露目公演! 千回おめでとうございますといっても足りないくらいよ@ジュリエット、という思いを胸に劇場に向かいました。柴田先生作の…

『星逢一夜』再演

劇場で一回、ライブビューイングで1回観劇。 宝塚作品に抱いていた認識を揺さぶられた初演も、登場人物らのやさしさが身にしみるからこそよけいに苦しい再演も、それぞれに心に残る作品。 宝塚で初演再演と観るのは初めて。しかもあの星逢一夜。同じ演目を同…

ミュージカル『ドン・ジュアン』3

▼プレイボーイぶり アンダルシアの美女の扱いを見ても、ジュアンはじゃじゃ馬ならしがお好きで、飼い慣らすのに少し骨がいるような気の強い美女相手じゃないと燃えない、だから手の内に入ってしおらしくなったら捨てるんだな、という流れが分かりやすすぎる…

ミュージカル『ドン・ジュアン』2

最初の走り書きと同じことを言い換えたり、ぐだぐだと。ドン・ジュアンはヒーローじゃないから、相手の気持ちを慮ることが必須じゃない。彼は基本的に自分以外守るものがない。そこがある意味清々しい。真実の愛を得て、正しい人として目覚めて、信念のため…

ミュージカル『ドン・ジュアン』その1

初日観劇後の走り書き(主に主人公について)インタビューや生田先生との対談で想像を巡らせてワクワクドキドキしていたけれど、人としてわりとどうしようもないダメさ、クズ男であると同時に、女たちが彼を求めてやまないわけがひしひしと伝わるような造形の…

宝塚 雪組公演 浪漫活劇『るろうに剣心』

タカラジェンヌの二次元への寄せ方、キャラの再現度については楽しみしかなく、しかし小池先生のオリジナル脚本ってどうなのかなと思っていたところ、うっすらとしたダメな方の予感があたってしまった印象です(ムラ2回観劇現在感想)。1幕でのキャラが出そ…

『星逢一夜』一揆について

星逢という物語の中に全部必要情報は詰まっていると思うので、義務教育レベルの歴史知識があれば他には何もいらないとは思うのですが、個人的にその最低限知識すら怪しいふしがあり、念のため調べてみました。 史実と異なる部分と注記があっても、まずその大…

『星逢一夜』再考

後だしじゃんけんにもほどがあるのですが、初日観劇した際に、お泉をもらってくれ、と源太が土下座をするのを見た瞬間、え?そんなことをしてしまうの??と彼のその行動を正直飲み込みがたく思いました。土下座には、なにか抗いがたい力によって強制的にさ…