TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

2018-01-01から1年間の記事一覧

『ファントム』おかわり

新幹線で身体だけ運ばれてきたので魂は宝塚で輝いています。思い込みの激しさで書いたので、次回見たら考えが変わっているかもしれない感想。 ・愛情さんと息子の話さきちゃんのジェラルド・キャリエール(またの名を愛情さん)は肉体も精神もマッチョさがな…

雪組『ファントム』初日を観て

思い入れ分の書き連ねの多い文、時々見たものの感想。 演者に入れ込んでしまったファンにとって「宝塚」の物語構造はやっかいだ。 ファントムならば、クリスティーヌからエリックに歌い継ぐHomeを聞いたときに大きく動く心は、舞台上で起こっていることだけ…

ミュージカル『マリー・アントワネット』について

(つまらなかったで流すにはいろいろと考え込むテーマが織り込まれていて、でもやっぱりいまいちぴんとこなかった理由を少しだけ掘り下げてみた感想) 個人的には、なんで私はこれを観に行ったのだっけ…?と終演後に若干ぼんやりしてしまうくらい、ものすご…

ショー・パッショナブル 『Gato Bonito!!』 ~ガート・ボニート、美しい猫のような男~

ねこの夏が終わってしまった悲しみを抱えて生きる。うつくしいねこの出てくる夢を見て、幻にさらわれました。 のぞみふーとに精力を使い果たしているのだ我々は!!! SV!がサービス精神のかたまりみたいな全年齢対象のショーとしたら、この瞬間を2,000人超…

ミュージカル・プレイ 『凱旋門』-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-

結局めちゃめちゃ通ってしまってまじかよ…しかし悔いはない、と思っている人間の感想。 オレンジがかったセピア色の照明が濃紺にゆっくりと移り変わって、舞台上に静かに夜がやってくる。舞台全体を包むくすんだ色味。行き交う男や女の濃い舞台化粧が、彫り…

宝塚BOYS

2010年バージョンをDVDで観てグッと心を掴まれた時はまだ宝塚をなにもしらず、2013年観劇時にようやくその夢の入り口に立っていた私も、あれから5年経って、彼らが夢を見たものにどっぷり浸かっています。 いま目の前にあるものに打ち込むことが人生のすべて…

演劇『1984』

『BADDY』での「怒り」は生きることと分かち難く結びついていた。それは人間が個人として生きるための表現のひとつでもあったと思うけれど、1984の世界に登場する大きな怒りは、他者から強引に引き出され、同時に制御されるものだ。そこに生きる人たちを「非…

グッディは天国/地獄の炎のなかでピースフルプラネットの夢をみるか

ショー・テント・タカラヅカ『BADDYー悪党(ヤツ)は月からやって来るー』のグッディに偏った記録 (マージナルとバルバラ異界を読んで、フェミとSF、ディストピアものの親和性って高いんだなといまさらながらに思い知ったこの頃だけれど、舞台化する上でのS…

『誠の群像』にみる「誠」とミソジニー

ある実在した時代や人物を登場させるフィクションをいま新たに生み出す際、その時代の価値観が現在のそれと著しく乖離していることがある。しかし乖離している、という事実だけでそのフィクションを根本から否定すること、描かれている内容を見たままに受け…

ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』

ポーの一族を観てきました。 原作ファン観点から、この演出家はなぜこの作品を自分の手で舞台化できると思ったの…?と目の前が真っ暗になるような光景が次々と目の前で展開されて憤死しそうになったけれど、私は幸いなことにヅカヲタでもあったので、フィナ…

レヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER! -希望の海へ-』おかわり

宝塚はまりたての友人の感想を読んで、恐らくわたしにとってのMr.Swing!のらんじゅさんくらい、SuperVoyagerの望海さんが盤石な存在に見えているという事実に、時の流れを感じずにはいられないこの頃です。前回の感想でとばしていた場面をいくつか記録、と思…

宝塚短歌まとめ

幕末太陽傳のころに詠んだもの 世の中の類いまれなるたっとさを結ぶ手だてのデュエットダンスロマンチック・ラブ物語る世界なら君のものにはならないだろう 完ぺきに男の気持ちがわからないあの子の父性はカフスで留める物語すぎないでいたいくらかは緑袴に…

ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム』を観てぐるぐる考えた話 (2018.2.16追記)

舞台自体の感想というか、観てぐるぐると考えた話です。 レズビアンの漫画家である娘とゲイの父親の話。外面は取り繕いながらも内側に複雑な事情を抱えた家族の話。夫に浮気され続けていた妻の話。自分の価値観を押しつけようとする父と、そんな父に影響され…

雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』おかわり

最終的に、いますべてのものに感謝のポーズ、という気持ちになった作品の感想。 ムラ初日に観劇した時はうーんこの作品どうかなはまらないかもなと思っていたのに、ムラ楽を観たときは(3回目にして)このあと東京公演があるなんて信じられないくらいしみじ…

レヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER!』

ショーの感想は、歌や踊りを表現する語彙がお芝居へのそれ以上にないので、「かわいい」「かっこいい」「おもしろい」「たのしい」以外の言葉が出てこなくて絶望することが多い。しかし記憶を縫い止めたい。そういう言い訳からはじまる記録です。 「SUPER VO…