TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

5〜6月観劇その2

インプットばかりでアウトプットが追いついていない!
絶賛宝塚BOYS期間ですが、その直後には花組大劇場、岡田さん主演舞台が控えています。
層が被っているようで被っていない演目だし、役者さんにしぼると更に、な気がします。
無事かけぬけたい夏休み。







モンテ・クリスト伯/Amour de 99!! 6/4ソワレ
ベルツッチオさんのジャケットの内側にレモン入れ用ぽっけを縫っておけばあんなことには…
世の中にはおいしいゲスとおいしくないゲスがいてフェルナンさんは後者
おれは〜ダンテスゆる〜さ〜ない〜♪の響きは「え〜んがちょ!」ぐらいのまぬけさなのにやってることのえげつなさ底辺知らず…
の三本です。まぁさまフェルナンさんの手首のひらひらレースに翻弄されていた。
アムールは、生でショーを見るのが初めてだったもので、あれよあれよでるわでるわ感に追いつけなかったのは私がリズムに乗り切れなかったせいであり、決して宙組さんのせいではありません…精進します。ちーかいクレッシェンドの非対象ニコイチかわいさと、中詰めのかなめさんの「二階席ィーーーーー!」はいまも鮮明に。


アラビアの夜 6/18
「ぼくがキスしてあげたのに、なんで彼女は目を覚ましてくれないんだろう!」
4月ぶりに西村さんの気分が高揚して期待にはちきれそうな声を聞いた。なんじゃこりゃーー!に集約しそうな物語の登場人物として既視感につぐ既視感の、夢の中のような出来事。きっと寝物語の千話の内の一話。外に出たら初夏の生ぬるい空気を肌に感じて、あれ、まだあの世界から抜け出きれていないのか…?と錯覚しそうに。


花組BASARA 6/15、19、20、26、27、30
宝塚でBASARAって!?と半年ほど前に確か口にしていた気がする。他人事or他人事ではない!はオセロの黒と白のように入れ替え自由なもの。
お祭りみたいな公演でした。そしてテニミュとの親和性をひしひしと感じた。OPナンバーに全員勢ぞろいして、決めポーズをぬるぬるとつけていくところとか、主人公の成長物語ぶりや、らんとむ幸村VSみりお謙信様feat.みー政宗様みたいな、みー政宗様が比嘉戦の跡部みたいな出番とポジションのようなところにも。最後の対決場面を見ていたら頭の中で「面白いやつだ〜思ってた〜通りだぜ〜♪」が流れ出したし、佐助の幸村を見るやや不安げな表情が「あかん、このままやと明日の試合で使いものにならなくなるで!」って言いたげだったからそういうことだと思う。ば〜さら〜♪の横揺れも最終回で幸村さまが「皆のもの!楽しんでいるでござるか!」叫んだあとにはじまったら感極まる流れだから、あいつは甲斐の虎。
6回の観劇ではあったけれど、通うことで変化していく舞台の上のひとたちに眼を奪われる、ということの楽しさを改めて感じた公演。やっぱり一回だけを大事に大事に受け止める楽しさも、通うことで細部を丁寧に拾い上げる楽しさも、両方味わいたい。
今回後者を一番顕著に感じたのは佐助の緩急のつけかたで、それは私が望海さんファンだから彼女ばっかり見ていたというところにもよるのだけれど、具体的にひとつあげると、いのりちゃんと幸村がご武運を!なやりとりをしている、ふたりが別れを惜しむとき。すぐ後ろの段に座って引いたところでにやにやしながら観察してる佐助が二人の間からちらりと覗く、すごくいいアングルを見て思ったこと。
初日はわりと階段座りつつにやにや成分多めで見ていたのを、なんなのひとの恋路を盗み見るのが好きなの佐助やらしいな!と思っていたけど、後日見たら、口元はにやにやしつつも眼の奥の光が寒々しいくらい鋭くて、徐々に笑みすらなくなってくとこにぞっとしたこと。怪しんでるのかな、と2度以上見た後だからこちらが展開を分かっていて、その意味を勝手に投影してるのかもしれないと思っていたけれど、明らかに朗らか成分が抜かれて笑いつつ腹の底はなに考えてるかよくわからないのかこいつ…?といぶかしませるひとに思えて、徐々に奥行きが広がっているように感じた。
その直前の、キツツキ戦法のために集まっている時も佐助を注視していたら、途中で顔は横に向けたまま鋭く下手段差下に視線だけ走らせていることに気づき、すばやく視線を動かせばその先にいのりちゃんがいたとき。本当に最初の最初から彼女を油断なく伺っていることにぞくぞくをおさえきれなかった。
「俺様に嫌な役目やらせるなよ」「おいおい正気かァ?」の凄みも徐々に増していっていたし、女の嫉妬は怖いねェとかこの野暮天が!とパンチをかましたら、掌で受け止められて至近距離であの笑みを向けられそうなところ、かすがにおせっかいを焼く彼が、敵の懐に忍び込んで面が割れて、喉元に小刀突きつけられたらどんな顔するのか見てみたいと思わせるところ。
それなのに、最後の最後に幸村に「旦那ーーー!」と走り寄っていって屈み込んでひとしきり心配したあと、(さすが俺の)旦那!といわんばかりの顔で幸村にドヤッと笑いかけるところの頼関係の築きようや、謙信さま「甲斐の虎」と幸村に呼びかけているときの、旦那に向ける、くちびる結んできゅっと両の広角をあげた顔が佐助の心から嬉しいときの笑顔なのかなあと思わせるかわいさが、なんともにくたらしい。
感想を検索していたら、ゲームファンの方にも評判が高かったようで、自分が好きなキャラを生身のひとが体現してくれるのがどれほどうれしいことか身にしみて理解している人間としては、なんだか嬉しくなってしまった。もちろんどの役者さんも皆そうなのだろうけれど、ひときわ自分の役に心を傾けてくれる人。
その他ポイントとしては「念のためきくけど、それは命令ってことだよな?」から学ぶ上司の育て方、幸村がお館さまのもふもふを被ってきた時の、階段に立っている佐助の足がつま先立ちでクロスしているところ、自分のひいきが舞台上でCGと合成されるのを君は目の当たりにしたことがあるかetc.
佐助がにやあって笑うたびに綺麗に揃いすぎな歯の粒がこぼれて、これはどこで育てられたトウモロコシなんだろうって思っていた。
額縁(佐助の顔の枠)よありがとう。

佐助についてスペースを割きすぎたけれど、お館さまが少年幸村ぎゅうっと抱くところでは毎回、ああいい話を見た、とそのまま席を立って帰りかけるほど胸にきたし、あのときお館さまが浮かべている、遺された息子である幸村の思いと、じぶんも分身とも呼ぶべき部下を喪ったかなしみを耐えしのんでいるような表情はほんとうに絶妙で、あれがあってのこのシーンだなと思う。お館さまが子幸村を抱くポジションが徐々に低くなっていったのに感じる深い深い父性。失敗しても、お前がその中から何か学んでくれたらそれでいい、というお館さまに学ぶ部下の育て方。理想の上司です。
いのりちゃんが「いーのりーはかわいーそーなこー♪」あたりで下手で小鳥に耳寄せて話を聞いた後、もう!みたいに指先でつつくふりをしてたの等々前半の幸村さまをまっすぐに慕う様子がすごくかわいかったからこその、緩急によって後半の展開がいきるのだし、3階の急角度からは三日月にライトがよく反射して、時々目がああああああって呻く羽目になったみー政宗さまも、回を重ねるごとに二度目の登場場面での大物感がより増して、チャラさより足元が不確かな幸村を軽くいなす落ち着き払ったどっしりとした振る舞いと静かめな声音にはっとするようになり、しかしやっぱりマウントはこちらがとられたままで、毘沙門天ソングがはじまる直前にゆるやかに湾曲させる腕のしなやかさがうつくしいべーちゃんのかすがにはつんとしてるところからネコ目メイクからお衣装から全体的にめろめろだったし、宇佐美さんのポニテ気になりすぎるし、幸村パパもさることながら、群舞でもいつもよっちさんに眼が吸い寄せられるし、もう心が千々に乱れていた。
花組BASARA楽しかったです!!


BWML2013 6/23
1幕は岡田さんの身をひきしぼるような、昨年末クリエフェス以来の『サラへ』に胸をおさえつつも、りなミミのOutTonightに心を持ってゆかれてしまいました。髪の毛ぐるんぐるん振り回したあと乱したまま口に食んでるのも御構い無しに歌ってたなりふりかまわなさ、一生懸命さがかわいいミミ。本役でぜひ観てみたいです。
2幕のブルースブラザーズはまさかのこばりょと岡田さんの癒やし系コンビ夢の共演で、舞台上に満ち満ちたマイナスイオンが客席まで溢れ出て窒息しかけてしまった。顔つき合わせてにこにこ踊ってるというか、ぎこちなく腕動かしてるのもほんとうにかわいかったし、得難いお二人だなと…。
THE エンターテイメント!感に、いちばん純粋に楽しい!!と思ったのは、お噂はかねがねな下村さんのビーアワゲストと不幸せな魂。
また、今回とても楽しかったことに変わりはないのですが、りなちゃんのミミがかわいくても、より好きなのはやっぱりリトショの、あのささやかな幸せを希う、いじらしい曲を歌うオードリーのりなちゃんだなあと思いました。本役で演じられた方と、出演なさってない方のペア、本役で演じられていても、別々にであって、舞台上では共演されていない方同士の夢の組み合わせは、片方に思い入れがありすぎると、受け止めきれないなあと。小西さんもスリル・ミーでとても好きになった役者さんだしロミオも観てみたい、花總さんもとてもすてきなシシィでぜひ本編で拝見したい、と思うのに、むつかしいところでした。


マグダライブ 6/29ソワレ
一年に一度だけお目にかかれる織姫のようなひと、と真顔で口にできるアナスタシアさま。
ライブ直後会った友達がもだえていたからもうひとりのアポロ岡田さんへかと思ったら、ちょうかわいかったです〜!可憐!!がアナスタシアさまに向けられている事が判明し、嬉しくてまた泣いた。
イッツエンターテイメントでセンターブロック(!)上手に配置されたアナスタシアさまが身体を外向きにされたときに、オフショルダードレスのむき出しの白い 肩にはらりとかかった黒いヘッドドレス付属のレースのリボンという絵面がとことん美しくて、私はこれを見るためにここにきた、と客席でふるえていた。あんなにダンスがただの移動や手を上げる動作にすぎないアナスタシアさまに、どセンポジションありがとうございます!! やはり総選挙1位の結果か…としたり顔。
そのあと下手にいらしたときに、屈み込んで右の人差し指頬に立ててこちらにむけてにっこり微笑んでおられたアナスタシアさまが真正面の位置にいた人間は、口をおさえたまま意識が遠のきました。女神…あなたはそこでそのままそうあってください、という祈り。
最初のご挨拶も、中央張り出し部分にたたたっと走り出てこられたときも、黒いレースのリボンが効果的にふわっとなびいてゆめみるような光景だった。ヘッドドレスがいつもより下よりに装着されていたorリボンの長さが長くなっていただと思うけれど、衣装さんありがとうございます…
そしてもろもろのコーナーで垣間見えるアナスタシアさまに過保護な客席のあったまりように、改めて人気を思い知らされた。観客登壇コーナーでは、私だってアナスタシアさまの隣に座ったりコイバナ(相談内容でっち上げ)したり告白してやさしく振られたりしたかった!!!!と思っていたけど、当たったお三方が仕込みのサクラのように秀逸対応ですごく素敵だったので潔く諦められました。
また、かわいさだけでなく、アレクセイの『我がロシア』を奥のソファに座ったまま表情を凍ばらせるアナスタシアさまは、きちんと当時の状況を再現した「国に帰る打診をされて戸惑うアナスタシアさま」で、改めて役者さんとしての岡田さんにほれなおしてしまった(幾度でも)。
前回はなかった『あの日から』は笑顔で歌える内容な唯一の曲だったので今回生で聞けてほんとうに嬉しかったし、頬と口角をきゅっとあげて前を見つめてにこやか晴れやかなアナスタシアさまはやっぱりかわいかった。すごくかわいかったです。
もう生で拝謁がかなうことはないとしても、これからもとても大切な人のひとりであることに変わりはないと思います。