TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

ロミオ&ジュリエット 10/1マチネと石井マキュ

ロミオ&ジュリエットCD発売決定おめでとうございます。
好きな舞台の音源がCDとして残ることがどれほど喜ばしいことか。アルターボーイズや今期レミゼで涙をのんだせいか、告知ポスターを本日会場で目にした瞬間なにかがこみ上げそうになりました。ちょっと落ちついた方がいい。
ただ「ハイライト」という言葉が引っかかるのですが。城田といくさぶろう両方のバージョンを出すのに2枚組ハイライトってどういう仕様になるのかしらと、どの歌が削られるのかいまから戦々恐々としております。アンケート出し続けたらフルver変更もありえますでしょうか、ってもう明日が東京楽ですけれど。


・僕は怖いの「隠さず言おう、死ぬのが怖い」とロミオが歌うシーンですっと片手を口元、片手をロミオへ差し出しながらふっと周さんが一度だけ笑む、その表情を目にするだけで体中をざわざわと駆け廻るなにか。

・やっぱり石井マキュにどうしようもなく惹かれてしまう自分の心に嘘はつけない。本日はマチネのみの観劇で、東京公演の城田フランク平方大貫石井楽であるソワレは観なかったのですが、挨拶はロミオとジュリエットだけだったのでしょうか。そもそも本公演を観に行くきっかけになった三本柱のうちのひとつと逆のキャストさんにこんなにも心惹かれるってどういうことなのだ、とここ数週間自問自答の日々です。
Wキャストそれぞれ優劣をつけられるほど肥えた目を持ってはいないですし、自分で見て感じたものと他の方の感想をあわせて考えてみても実際、完全に好みの問題なんじゃないかなと思うのですが、個人的により好みのマーキューシオ像は石井さんのほうなんですね。
痩身どころか体脂肪率恐ろしく低そうなかといって筋肉も全然無さそうながりがり病的縦にひょろっと長い体躯。右目の下にオーバーアイライン&睫、左目上にオーバーアイライン(濃いめのシャドウ?)。顔白塗りしてない時計仕掛けのオレンジの小栗メイクといえばいいのか。髪型は左に流したコーンロウ。きつく編み過ぎなのか帽子かぶってると右側のおでこがかなり広い。ご本家フランスの2010年版対決シーンのようにティボに髪の毛つかまれて引きずりまわされる演出が似合いそうだなとこっそり思っています。
ご本人もパンフレットで仰っている様に、ヤンキーだけれどしっかり地に足ついた良知マキュ(ダンスの上手さがモンタギューのリーダーという事実を説得力あるものにしていると思う)と比較すると確かにロミオへの依存が度を超えているのがより顕著。会話ではロミオの真面目さ融通の気かなさを茶化しているようでも、奥底でどこかロミオのそういった部分を自分には持ち得ないものとして尊んでいそう。
台詞の独特の節の付け方、距離感、声音、ジャンキーさ、無軌道っぷりに加え、前述の彼のある種病的な容姿が石井マキュを構成する要素。ロミオへの依存、ベンヴォーリオとのつるみっぷりに反するように、他のモンタギューの若者たちへの関心が非常に薄そう。おもしろおかしく一緒に馬鹿やっているようでいて、彼の心の中では実際周囲の人間は、ロミオ、ベンヴォーリオ、有象無象、ぐらいのカテゴリわけ。中心人物としての自覚はあっても責任は皆無。
大公の甥という人から羨まれる身分に生まれながらも何らかの理由でいままで生きてきた中で一度も完全に満たされた幸せな時期はなかったんじゃなかろうかと、それゆえのキャラクターとしての危うさ、欠けた部分をじっと見つめてその奥にあるものがなにか推測したくなる、暴きたくなるあの感じがたまらなくぐっとくるのだと思います。

以下個人的見どころ羅列

・両奥方ふたりの憎しみソング時に帽子の中から取り出したスカーフをひらひらと遊ばせる様子。
・マブの女王
・舞踏会の小ネタ。ジュリエットのもとへ向かうパリスを下手階段の途中で妨害するマーキューシオは毎回違うネタ。
・\俺がロ↑ミ↑オ↑だ/綺麗は汚い、での「お前の指揮で歌が歌えるか!」と罵りたくなるような調子外れのとちくるった指揮っぷり。あばたもえくぼのベンヴォーリオにほっぺに人さし指押し付けられたときの無理やり浮かべた笑顔。ロミオがおばちゃんに食われる〜〜〜〜
→指揮については本日は9/17観た際よりきちんとめに変わっていました。毎回やり方が決まっているわけではなく結構アバウトなのかも。
ロミオとジュリエットの結婚が発覚し、ロミオを問い詰めた後の、今までの気狂いっぷりとはうってかわってひそやかな、途方に暮れたような「もう終わりだ」 いったいなにが終わりだというのか。
・ティボルトに「モンタギューの飼い犬!」と挑発されて犬が遠吠えする真似を笑いながらやってのける様子。
・ティボルトの「マーキューシオ、自分を見ろ」でのおどけたような一礼→「お前はピエロだ!」での顔色の変わりよう。
・「お友達の説教きいて」で呆然とした表情のまま髪の毛をぐしゃぐしゃとかきまぜた後、とうとう抜いたナイフを何かの儀式のように自分の頬につけて頸から胸元に沿わす様子。
・マーキューシオの死。「愛する友よ。別れの時だ」でベンヴォーリオへも手をのばすさま。

・世界の王のソロシーンを観るといつもコメツキバッタが脳内ではね出します。いっそくせになってきた。