TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

ロミオ&ジュリエット Wキャスト組み合わせ

本作品ではロミオ、ジュリエット、マーキューシオ、ティボルト、そして死のダンサーがWキャストということで、全体で考えるともうわけがわからなくなるので、特に絡みのある役をふたつずつつまんで考えると、ロミオとジュリエット、マーキューシオとティボルト、ロミオと死のダンサーの三つの役の組み合わせに注目すべきかなと。加えるならロミオとマーキューシオもでしょうか。
そこをあげるとロミオとティボルトについても考えるべきなのかもしれないけれど、意外とこの二人が接近するシーンは少ない。舞踏会の「ジュリエットにちょっかい出してた!(りおくんver)(平方さんだと「ジュリエットにちょっかいを出していた!」接続詞がきっちり入る)」あたりと、ロミオがティボルトを殺すシーンぐらいかしら。
遡って思い返したところ、現時点で本作品は7回観劇しているのですが、最初にあげた三つの役の組み合わせに関しては全てのペアを観ており、また、ロミオとマーキューシオについても城田&良知以外はすべて観ていました。

ロミオとジュリエット
山崎&フランク×3、山崎&昆×2、城田&フランク×1、城田&昆×1

・マーキューシオとティボルト
上原&石井×3、上原&良知×2、平方&石井×1、平方&良知×1

・ロミオと死
山崎&中島×3、山崎&大貫×2、城田&中島×1、城田&大貫×1

・ロミオとマーキューシオ
山崎&石井×2、山崎&良知×3、城田&石井×2

自分で計算してみて一番驚いたのが、当初らちマキュしか観る予定がなかった筈が、気がついたら石井マキュを観ていた、どころか後者の方が一回多くなっていたことです。残すところ10/1マチネと2マチネ(東京楽)なので結局らちマキュ4、石井マキュ5ということになり……twitterでどなたかがこういう状況の事を「対バンバンドにはまった気持ち」と仰っていて言い得て妙だなと思いました。
以前から他の作品も観るぐらいに追いかけている好きな役者さんと、観ていて興味深いなと思った作品中でのそのひとが演じている「役柄」のしっくり感、好みは必ずしも一致しないものなんだな、というのが最近の見解で、正直とても複雑な心境です。分かる方だけにわかる言葉を使うと、2.5次元と3次元の好みの相違、でしょうか。この問題についてはいつかきちんと書きたい。


★マーキューシオとティボルトについて
上記の回数を観て得た印象を組み合わせ別にざっくり書くと、対決後の流れが上原&石井だと、ああもう絶対そうなると思ってたんですよ……で、上原&良知はりおくんのモンタギューへの憎しみ押し通し勝ち、平方&石井はいっそマキュの自殺、平方&良知は完全なる不慮の事故、であるように思いました。
上原&石井は互いに対する憎しみがひしひしと伝わってくる。もう個々への、というよりは互いを通した「モンタギュー」「キャピュレット」という家、あるいはもっとそれより更に大きいものへ向けられたなにかかもしれないけれど、友人が言っていた「同じ檻の中に絶対に入れちゃいけない生き物同士」というのが的確かもしれません。
ティボルトはきかれなくても自分の思いや生い立ち(?)を歌で吐露してくれるから憎しみが芽生えた理由が観客にも伝わり易いのですけれど、マーキューシオはどうしてキャピュレットをそんなに憎んでいるのかがはっきりとわかる形では劇中で示されていません。ソロも本当の胸中はなにひとつ晒していないどこかはぐらかしたような歌詞ですし。元々家同士が何故憎み合っているかも明確に描かれていないのでそこを突きたいのではなく、そういった感情を明確に表現する、ここだ、という場面がなくとも、石井マキュはキャピュレットへの憎しみに満ち満ちている様が、冒頭からふんだんにちりばめられているように感じられたことを書きたかったんです。だからこそ対決のシーンが唐突なものではなく、とうとうその時がきてしまったのか、と観ていて腑に落ちるものでした。彼が死ぬのはこの日この時だったのか、という偶然ではない必然性。
りおティボは上記の通りティボルトという役が感情を爆発させる箇所が多いので、そこで上手く憎しみを表現していましたし、また石井マキュとは違った意味で、ぎらぎらと暑苦しいほどの、一度感情が高ぶったら手に負えないような雰囲気が、その佇まいだけでこちら側に伝わってきました。ジュリエットへの想いを表せているかという問題はまた別として。
彼をレミゼから知っている多くの人がそうなのでしょうが、インタビューやカテコ動画等で彼のなんとなくの人となりに触れる印象と、今回の役柄、それを観て本作で初めて彼の事を知ってその様子だけで彼の普段の様子を想像しているひとの感想を目にすると、やはり中身と外見から受ける印象がかなり隔たっている(と思われる)ひとなんだなという気持ちを新たにし、大変興味深いです。
役柄から話がそれてしまいましたが、ここまでの感想を読んでいただけるとわかるように、個人的いちおしは上原&石井です。

他のペアについてはまた後日。それよりも先に個々の役柄感(?)について記さなければならないかもしれません。