TROIS

観劇後に気合があったときだけ書きます

ALTAR BOYZ 2012 1/28 マチネ-RED

本日ソワレにCHESSコンも観劇しまして、浦井くんの低音にしびれ、安蘭さんと石井さんのハーモニーもすばらしいし、M!のCDですごく好きになってしまった生は初めての中川さんはもう言わずもがなの吸引力だし、耳が幸せってこういうことをいうんですね!CD出してください!と堪能しつつ、前述の歌以外の部分も大変個性的な皆さんによるトークショーまで聴けて楽しかったです、ということについても細かに書きたかったんですが、どうにもこれを先に書いておかなければおさまらない、ということで以下、完全なるアルターボーイズRED公演ネタバレです。

「信じる力を試されているのかもしれません。…でも、それは私に限ったことじゃないんです」















とうとう待ち焦がれていた彼らの世界ツアー日本最終公演(約1カ月)の幕が切って落とされてしまいました。
前日にゲネプロ取材記事で見た赤のボーイズらの衣装ネタバレにロミジュリ初日に育ロミオの衣裳を目にした時並みの衝撃を受けたり、気持ちが高揚するあまりなかなか寝付けずほんとうに1/28の朝が無事に迎えられるのだろうか? という不安におそわれたりしつつも、今こうしてRED初日公演観劇を終えることができ、いちばん心の中を満たしている気持ちは「私はALTAR BOYZという作品が本当に大好きだ」です。英文和訳文みたいになっているけれど事実です。
軽々しく口にしていい言葉ではないというのは承知の上で、あのオープニングのギターのメロディがきこえてきて、十字のギラギラしたネオンを目にした瞬間「生きていてほんとうによかった」と嘘偽りなく心の底から思いました。終演後に会った友人に「(普段はしんだ魚のような目なのに)きらっきらしてるね」と笑われたぐらい、あんなにいい笑顔をしながら舞台を観ていたのは初めてかもしれない。
これから先どれくらい、大好きだ!と思えるような存在に出会えるかは当然のことながら全く分かりませんし、それこそ今一番好きなものを好きと思う気持ちを軽々更新してしまうくらい、感情を大きく揺り動かすものにもしかしたら明日、出会ってしまうかもしれない。それでも今日私がREDチームのALTAR BOYZを観て、彼らが演じるこの作品以上に大切なものは他にないな、と言い切りたいくらいの多幸感を受け取る瞬間があったことはずっと忘れないでいたいなと思います。忘れないために書きのこしておきたい。

血の繋がらない、そういったしがらみのない人たちが、はじめはなんとなく集まって、その集まりに彼らの意思とはあまり関係なく名前と目的を与えられた。いったんはメリットに釣られてその集まりに所属することに承諾しつつも、メンバー個々にやはり関係性を継続することに思うところはある。それでも次第にお互いをかけがえない存在と認識するまで濃厚な時間を共有してゆくことで、ひとつの”家族”ともいえるべき共同体を築き上げた話、というと類似のものはいくらでもあるのかもしれないのですが、楽曲の素晴らしさや個々の役柄の魅力ももちろん、そんな彼らで形成された疑似家族の在り方のようなものに心惹かれているのかもしれません。


アブラハム
再演時のあの「灰色スーツ着たハーフアップのアブちゃん」が好きなのかと思っていたけど、衣装や髪型ではなくて「らちアブ」という存在が好きだったということを再認識しました。今思い返せば再演は「好みの役がしんぼうたまらぬくらい好みの衣装と髪型をしている」という状態で、それはそれでもう最初からフルコースディナー出てきたくらいの喜びではありましたが、衣装や髪型が変わったからと言って彼の「アブラハム」としての本質が損なわれるということはまったくなかったです。真面目で礼儀正しく基本ツッコミ、ボーイズらが大きく道をそれるのを正す軌道修正係(あらゆる意味で)に徹しているようで結構ボケる時はボケるよ、という大好きなアブちゃんにまた会うことができて本当にうれしい。
衣裳係のフアンちゃんに「今度の公演の衣裳はあんさんが考えてみい」言われて赤と黒という指定だけ与えられて懸命にアブちゃんが考えてあの衣装選んできたのだったらかわいすぎてどうしたらいいかわからない、と考えてしまうくらいアブラハムという役の彼に対して盲目です。創世記時の10代前半と思しきボーイズらの格好として、あの赤と黒の太めしましまラインパーカーwith赤いバンダナ(額ではなく腰)(サッシュではなく中高生男子がお弁当箱包む感じのバンダナ)(そろそろ怒られる)に灰色ズボンは、愛嬌のある黒縁丸眼鏡と相性がよすぎて困りました。あんなに丸眼鏡が似合う人を他にあまり知らない。
視覚要素から入ってしまいましたが、Callingの「ああ受信の電波が弱い」からの「消えた〜〜〜〜〜〜〜〜!」に鳥肌が立って、Everybody fitsの「上出来!」から「なんでー!」とすこーんとぬけるような第一声の気持ちよさに目頭が熱くなって、改めていい意味で、やはり惹かれる箇所は変わらないんだなと思い知らされました。I believe直前の切々とした語りも、目に浮かぶ光るものも。
笑顔で踊ってるアブちゃんが好きで、 「ここで人生で一番大切な時を過ごしました」って言っちゃうぐらいアルターボーイズが大好きで大切なアブちゃんが好きで、そんなアブちゃんがいるアルターボーイズが好きです。

きょうのあぶらはむ、みたいに毎回書き連ねてしまう項目だと思うので今回はこれくらいにしておきます。
以下は再演との変更箇所で気づいたところ、覚えているところ。



○りずみんみー前
・「少額の御心付け〜」カット

・冒頭の「セントメアリーカトリック教区にも拍手〜!」からの流れでマシューが「それからもしかしたら俺たちのCDを出してくれるかもしれないソニーミュージックの人たちにも」と口にしていた時はストーリーを知っているものとしては耳を疑った。この時点でソニーミュージックとのソロ契約が決まってるマシューさんはいったいどういう気持ちでこの言葉を発したのだろう。罪悪感にまみれながらも流れ上仕方なく? 口に出した瞬間しまった、という思いがあったのだろうか。個人的要考察事項でした。

○something about you前
・「YMCAのお泊まりサマーキャンプで〜」の前部分に「あれは20数年前、げほげほ」というように言葉を濁すマシューはいったい何歳設定なのか。ひがしやまさんの今回きりの悪ふざけだったのかどうかは明日確かめたい。

○33!33!からのフアンちゃんのお誕生日祝い
・ALTAR BOYZらは故郷のアメリカに帰る暇もなく世界ツアーをしており今回は3回目。前回2回目の日本最終公演時はマークの誕生日と被っていた、とボーイズら総出で念押しされる。

I believe
・ボーイズら4人が自らの罪を告白していく際、再演時アブちゃんはジャケットを脱いで黙って下手段差に腰掛け、俯いたまま彼らの話をじっときいていて、そのとき彼は何を思っていたのだろうなあと考えると胸がつまるシーンながらもとても好きだったので、4人がすったもんだしている最中、いったん完全に舞台袖にはけてしまう演出に変わって少しさみしかったです。パーカーが脱ぎにくいからなのか、もっと深い意図があるのかまだ判断しきれていないし読み取れていない。



もっと大量にあったのにぼろぼろ抜けているのでまた明日以降の観劇でつぎ足していきたいです。